熱とは何か

熱とは何だろうか?

熱の概念は、主に熱運動熱振動がある。熱運動とはブラウン運動(wikipedia)の原因となる分子間の運動である。

まず 熱運動=熱と仮定してみよう。

常温の空気をピストンに閉じ込めてから圧縮するとピストン内部は外部よりも空気の温度が高くなる。(Fig.1:T1⇒T2)

ピストン内部と外部の温度はやがて熱平衡となる(Fig.1:T3参照)

このとき、熱運動=熱であるとするならば、熱運動によってピストン壁に衝突する規模はピストン外壁と内壁は等しくなるから空気の圧力は変わらないはずである。

しかし実際は熱平衡でありながら圧力は不均衡となる。このため熱運動とは本質的な熱の概念とは考えにくい。

Fig.1

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次に摩擦から熱についてアプローチしてみよう。

日常的に摩擦を意識するものと言えば乗り物のブレーキである。この時、運動エネルギーは主に熱エネルギーに置き換わったとされる。つまり本質的に熱エネルギーとは物体の重心移動に依存しない形態をとっているものと考えられる。

物体の重心が移動せずにエネルギーが保存されているような状態とは、原点を有した運動ということになる。

これが原子の振動の場合、熱振動(wikipedia)と呼ぶ。(結晶格子上の原子の熱振動は格子振動と呼ぶ。)

熱振動は絶対零度においても不確定性原理から振動は止まらず零点振動(wikipedia)なるものが存在しなければならない。

そこで熱の概念を説明するためには相互作用が必要となる。

つまり零点振動は熱エネルギーは存在するけれども熱として捉えることができない状態と考えられる。

Fig.2は熱振動を簡潔にイメージしたものである。

原点を有する運動は、回転運動または膨張収縮運動等が挙げられる。円の外側が相互作用をする部分に相当する。零点振動は円の内側となり相互作用しない。

Fig.2

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この熱振動のモデルは熱運動との関わりも示すことができる。

Fig.3は熱振動(原点を有する運動)によって二つの原子(分子)が弾かれた図である。つまり熱運動は熱振動を要因とした運動と考えれるのが適当なのかもしれない。

Fig.3

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