自己固有座標系における運動について

前項までは異なる固有座標系の交わる条件を考察してきた。

しかし初期条件において静的な場(異なる固有座標系が交わっていない条件)から時間的変化の伴う運動をする時、その運動の情報は異なる固有座標系に対し有限の時間で伝わる。ではそれまでの期間、運動状態(加速度運動)がどのように記述されるのであろうかという疑問が出てくる。

fig.1(異なる固有座標系が交わっているイメージ)HQGboost

そこで物体が加速度運動する状態を時系列ごとに着目してみる。すると自己の固有座標系を異なる固有座標系のように見なすことができる(Fig.2)

つまり固有座標系の交わる条件は、異なる固有座標系と自己固有座標系の2つに大別することができる。

fig.2(過去の自己座標系と交わっているイメージ)

jikokoyuzahyou

ところで「特殊相対性原理の言及」において、地球の固有座標系を万有引力とする根拠を示していなかった。

先の説明だけではFig.3のように最小な固有座標系が集まって構成される平坦な座標系を地球の固有座標系としても良さそうに思える。

Fig.3

kanseikei

しかし物体の運動の情報が有限の時間を経て異なる固有座標系に伝わってゆくことを想定すると、物質の中心から外側へ広がる座標が存在する必要がある。このため地球の固有座標系とは万有引力と仮定できるのである。

Fig.4(万有引力が地球の固有座標系)

universal gravitation