四次元の考察

等速直線運動をするA系からB系の間を光が進む時の所要時間について考える。

先ずA系とB系の運動が対称的に見えるC系を基準に任意の速度と距離を設定する。

光はとてつもなく速いので便宜的に時速[30km]とし、A・B系間の距離を100kmとする。Fig.1青色の矢印は光に対しての順路(順風)と逆路(逆風)を表現したものであり、各風速は時速10kmとおく。A系とB系は力学的に対等な条件と仮定する。

光源はA系に存在するがC系と相対速度が等しくC’光源とする。C’光源は地点Pで光をB系に向けて放出する。

測定はマイケルソン・モーリーの実験(wikipedia)でエーテルに対する地球の速度を計測するために用いられていた方法を採用する。簡単のためこれを*マイケルソン・モーリーの計測としておこう。

以上の前提により、地点PからB系までの距離を光が進む所要時間は

順風区間の所要時間:50km/([30]+10)km=1.25時間

逆風区間の所要時間:50km/([30]-10)km=2.50時間

よってC系から観測すると地点PからB系までの所要時間は3.75時間掛かったように見える。

Fig.1

Perspective relative (2)

次にA系とB系について同条件のままで、運動が非対称に見えるようなD系を観測基準にして考える。

D系はさきほどのC系に対して図向かって右側へ時速5kmで運動している関係とする。(観測が測定に影響を与える可能性も考慮してC系に対して図向かって左側へ時速5kmで運動しているD’系も暗に存在させておこう。)

光源はA系に存在するがD系と相対速度が等しくD’光源とする。D’光源は地点Pで光をB系に向けて放出する。

このとき地点PからB系までの距離を光が進む所要時間は*マイケルソン・モーリーの計測により

順風区間の所要時間:50km/([30]+10-5)km≒1.428571428571429時間

逆風区間の所要時間:50km/([30]-10-5)km≒3.333333333333333時間

よってD系から観測すると地点PからB系までの所要時間は約4.761時間掛かったように見える。

Fig.2

Perspective relative (1)

以上はA系とB系の運動が相対的に捉えた考察であるが、光が地点PからB系に進む条件は特定の事象でありながら観測基準によって所要時間が変わってしまうというのは矛盾である。

そこで異なる座標系が近づくまたは遠ざかる事象に関しては、どの観測基準に対しても所要時間が変わらないように運動は絶対的(評価が可能)なものとして取り扱う必要がある。

()の水色で塗り潰れている領域はA系からB系へまたはB系からA系へと遷移してゆく場であり、正確にはFig.2の条件で順風区間が小さくなり逆風区間が大きくなるが、Fig.1の条件と比較して所要時間が異なるという結果に関して相違はないので省略している。

そこでA系とB系が交わる時、A系とB系の運動量を原点(釣り合う点の周りに存在させる)という形で保存することによって可能となると考えた

詳しくはこちらで⇒加速度運動とは何か

Fig.3

Perspective relative (3)

このような場の構造を、その特徴からマイケルソン・モーリーの頭文字をとって*M-M場(エムエム場)と呼ぶことにする(Fig.4参照)

Fig.4

M-MField