シュレーディンガーの猫の考察

シュレーディンガーの猫の説明リンク

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シュレーディンガーの疑問とは

「量子力学は観測するまで状態が定まらないとする。ならば観測していない状態の系を巨視的レベルまで拡張する事によって猫の生死でさえも重なり合った状態にできるだろう。しかし我々が見ているマクロ系には、そのような事象が存在しているとは思い難い。」

・・・とだいたいこんな内容で正しいはずである。


問題の解決方法

基本的に問題となっている箇所とはマクロ系とミクロ系の境界が連続的で不明確である前提にある。よってマクロ系とミクロ系の境界が明確であれば良い。

しかし理想的なマクロ系は真空の揺らぎがないが、実際に宇宙規模では真空の揺らぎが存在しているため、マクロ系とミクロ系の境界は不明確な部分がある。そこで*準量子系と*完全量子系の分類をする。

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系の境界のイメージ

量子論的あいまいさの分類

  • *準量子系では決定論的であるが分からないとするあいまいさ
  • *完全量子系では非決定論的あいまいさ

とおくことで問題は解消される。

Schr_cat-3*準量子系のあいまいさとは例えば重心的な概念が挙げられる。例えば大きい球の中に弾性衝突する微粒子を想像する。球の重心が動いていない状態では微粒子の運動はどのようなものであるかと考えると一つに定まらない(ただし球の中の様子が分からないという条件で)。つまり決まっているのに分からないあいまいさとは多価関数的である。

一方、*完全量子系のあいまいさとは決定論的次元において本当に定まっていないとするものである。