本項に着手するかどうかにあたり、取り分け調べたつもりだが読解力不足のためか理解できず誰かに教示して頂く趣旨で疑問を書くことにした。(コメント欄に頂ければ有り難いです。<(_ _)>)
EPRパラドックスについて知ったときの考察はボーアとアインシュタインの主張を両立する方法はないかと考えた。それぞれの主張をまとめると
ボーア:「量子は観測するまで状態が定まらない。」
アインシュタイン:「それでは情報が光の速度を超えてしまうので量子論はどこかおかしい。」
これに関し3つのcaseを考えた。
case.1:終始隠れた変数がある。
case.2:粒子が分かれる前は状態が定まっておらず非決定論的で、分かれると決定論的である。
case.3:2粒子に分かれても測定されるまでは非決定論的である。
実は非決定論性と光速度上限の制約はcase.2で満たされている。ではなぜEPR問題はcase.3を要請するのかと言えば、分かれた粒子を測定する時点が量子論的観測であるとしているためである。(これは二重スリット実験についても当てはまるが*準量子系と*完全量子系の条件が異なる。)
また、ベルの不等式についてそれとなく理解したつもりで、これは非局所性の根拠にならないのでないかと考えた。
検証としては、ベルの不等式でcase.2とcase.3が区別できるのかと考えたが、不等式による判定は観測前が決定論的変数で有るか否かに対してであり、観測時点を判定するものではない。よってベルの不等式では非局所性の証明にはならないと考えた。(ベルの不等式はcase1.とcase.2,3の判定)
またベルの不等式は確率論的判定であり、複数試行を通じて非決定論的変数が内在すれば破られる可能性のある不等式と解釈した。では1回の実験で非局所性示す条件を考えてみる。
- 最も明確なのは意味のある情報を送ることであるが、これは因果律に反するため通信には古典チャンネルを要する根拠となっている。
- また意味のない情報の送信でも、古典チャンネルなしにアリスが何らかの操作をした事がボブに分かる場合も因果律に反する。(例えば予め一定刻で実験を行うことを決めておき、「何かした=1|何もしない=0」という情報に対応させると光速度では不可能な通信が可能となるため。)
いくらか知見を記したが、疑問とは非局所性の証明はどのようなものであるかという点である。